うまさが日記

『いいモノさがし』認定事業者のご紹介です② ~ 恵丸水産(後編)

佐賀市には、生産者のみなさんがこだわって作ってきたおいしい商品がたくさんあります。より多くのみなさんに商品を知っていただきたい。そんな思いから始まった佐賀市の認定制度『いいモノさがし』。

『いいモノさがし』の認定品を送り出されている事業者さんに、あんなコトやこんなコトを聞いてきましたのでご紹介します。


第二回は、再び、佐賀市諸富町「恵丸水産」の野口恵二さん・京子さんです。後編です。

※平成29年11月に佐賀市の公式フェイスブックに掲載された記事からの転載です。

「次の課題は生産量と販路の拡大です」

◎2年連続『いいモノさがし』に認定

――11月12日は世界遺産イベント「さが三重津祭2017」(三重津海軍所跡/佐野常民記念館 佐賀市川副町)において、ことしの佐賀市『いいモノさがし』認定書授賞式もおこなわれました。  恵丸水産さんからは、「さが海苔ドレッシング」と「恵の酢漬海苔 梅風味」の2つが新たに認定されて、現在、5品が『いいモノさがし』にエントリーしています。

野口京子さん:おかげさまで2016年と2017年、2年続けて、認定をいただきました。

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――『いいモノさがし』に認定されると、メリットがありますか?

京子さん:選ばれた商品は『いいモノさがし』認定品のステッカーを貼って、流通・販売ができます。それと毎年、さがインターナショナルバルーンフェスタの会場や、こんどの「三重津祭」など、佐賀市が主催するイベントのときに特設ブースが出たりして、より多くの皆さまの手にとっていただく機会が増えます。 佐賀市のふるさと納税の返礼品としても、使っていただいています(寄附金額1万円以上の方)。」
恵二さん:佐賀市内のアルタ新栄店やゆめタウンといったショッピングセンターに『いいモノさがし』のコーナーがありますが、販路の開拓は、個人では一番むずかしい部分ですので、こうやって助けていただけるとありがたいです。

◎いい名前を考えるのがむずかしい

――商品開発で苦労されたのはどういう点でしょう?

恵二さん:商品の名前がねえ、なかなかむずかしいんですよ。
京子さん:酢漬海苔を作ったときに、「女の人には酢はヘルシーなイメージだからいいけれど、男の人はお酢の味が好きじゃない人が多い。だから。商品名もあまり酢を強調しないほうがいいですよ」というアドバイスをもらって、「これだったら、やわらかい感じになるかなあ」といい名前を思い付いたんです。 ラベルのデザインも出来あがった後で、たまたま参加したセミナーの先生から、「なかなかいい名前だと思いますが、ほかに商標登録がないか、調べてみてくださいね」といわれて......調べてみたら、同じ名前がすでに登録されてたんです! 

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――となると、もう登録できない......。

京子さん:中身が違っていたとしても、同じ名前だとだめだという話でした。 「素人だから、一からやらないといけなかった」と前回、お話ししたのはこういうことなんです。売る段取りも整ったところで、名前でつまずいて、気持ちが引いてしまって、『いいモノさがし』は2015年から始まった制度ですが、初年は応募を見送りました。
恵二さん:失敗はいろいろありました。夏場は完成品を冷蔵庫に1か月、2か月保管します。冷蔵庫から出すと、和紙で作った商品ラベルが湿度でしわしわになったり......(笑)。
京子さん:乾けば、元通りピンとなるんですけど、素人なので、そういうところに、後になって気が付くんです。「こんな頼りないことでは、買っていただく方に申し訳ない」と反省しました。現在は一部、ラベルのデザインと紙を変更していますが。

◎商品の新規開発に必要なこと

――いま、いろいろな分野で「起業したい」と考えている方が増えていると思いますが、あとに続く方にアドバイスするとしたら、どんなことですか?

京子さん:商工会議所主催のセミナーなどには、私もかなり参加しました。たとえば、ラベルに記載する内容表示も最初はなにも知識がありませんでしたが、セミナーで専門の方にご紹介いただいたり、実際に商品ラベルを作成する段階では、県の職員でお詳しい方に何度もお世話になり、一つ一つチェックしていただきました。 そういう方と知り合ったり、相談に乗ってもらえるのがセミナーのいいところですね。ラベルの記載内容だけでなく、文字の大きさまで丁寧に教えてくださって......おかげさまで、いまではほかの商品のラベルを見て、気がつくことが沢山あります(笑)。 欲をいえば、商品を世に出すまでに必要な法律や衛生管理についての知識のセミナーがほしいと思います。セミナーというとほとんどが、生産者の体験談や商品開発のお話がメインなので。

――ケーススタディみたいな?

京子さん:そうです。うちは海苔の佃煮、酢漬、ドレッシングを作っていますが、佃煮と酢漬は〝惣菜(そうざい)〟を製造する許可が要るのに対して、ドレッシングだけなら、佐賀県の規則では専用の調理場をもうけなくても作れるとか、いろいろ知っておくべきことがあります。

――新規参入する人のための、実践的な基礎知識を教わる場が必要だということですね。

◎一個一個、びんに手詰めして......

――加工品が5品完成して、次の目標は何ですか。

恵二さん:やっぱり販路の開拓、ですね。
京子さん:こうして『いいモノさがし』に認定されたり、商品を評価いただいているのはありがたいし、励みにもなりますが、商売としてはまだまだこれからです。 商談会などでは、インターネット通販の大手や生協さんから声を掛けていただいたりします。でも、うちは大量生産ができないものですから、「数百個、確保してほしい」というようなご要望にこたえられないんです。

――作業はすべて奥様おひとりで?

京子さん:いまのところは私ひとりでやってます。しかも、手詰めですから、手間隙がかかります。それでも佃煮は一度に50個作れますが、酢漬は一枚一枚、びんの大きさに合わせて海苔を切って手詰めにするので、量産がきかなくて......販売してもらっている場所も、「自分で持っていける範囲」がほとんどですが、もっと県外でも使っていただきたい。これが次の課題です。
恵二さん:設備投資するにしても、ある程度、安定した売れ行きが見込めないことには、お金をつぎ込めません。それと、ずっと生産者としてやってきていますが、加工業での実績がないので、信用されるようになるまでに時間もかかるでしょうねえ。 うちの加工品の原料になっている「海苔の原藻(げんそ)」を使いたいというところもあって、共同で商品開発をするのも一つのやりかたかと試行錯誤ですが、 とにかく海苔の生産と加工、この二つのバランスがとれてくるといいと思います。

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――良心的で、おいしい佐賀海苔の加工品が、全国に広まっていくよう願っています。今日はありがとうございました。

(佐賀市の公式フェイスブックより)

平成30年6月からインターネット通信販売サイト【サトクル】でご購入できます。

恵丸水産のホームページはこちらから。
https://megumimarusuisan-com.jimdo.com/


2018/06/18
 

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