環境循環・環境保全型農業の推進
~下水道由来肥料~
佐賀市は、平成26年11月に「バイオマス産業都市」に選定されました。
佐賀市と民間企業が連携して開発した下水道由来肥料は、イチゴ農家さんから「L玉、2L玉がほとんど。変形や病気がほとんど無くなった。以前と比べて糖度が上がった。」の声もあり、多くの生産者から好評を得ています。シギの恩返し米は、この肥料を使っています。
※下水汚泥を発酵した肥料で育てた農作物などの「下水道発食材」の愛称を「じゅんかん育ち」といいます。
実験圃場 |
実験圃場 |
~北山ダム底質土~
昭和32年3月に完工した北山ダムは、人の生活になくてはならない農業用水や飲料水等を
安定して使えるために建設されました。この北山ダムの底に眠っている土は、
たんぼを病害虫から守り元気にしてくれる物質が多く含まれていることが、国の調査で分かりました。
シギの恩返し米プロジェクトでは、この北山ダム底質土を活用した米づくりを研究します。
北山ダム |
北山ダム |
令和元年5月に北山ダム底質土を散布した試験区を設置しました。
実験圃場 |
安心安全で持続可能な米作り
~特別栽培の認証~
「シギの恩返し米」は、佐賀県の慣行レベル(慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された特別栽培米です。
~農業生産工程管理(GAP)の推進~
シギの恩返し米プロジェクトでは、生産工程が安全で適正に管理・生産された米づくりを目指します。
GAPとは、農業生産活動の持続性を確保するために、食品安全、環境保全、労働安全に関する点検項目を定めて、作業の正確な実施、記録、点検及び評価を繰り返しながら、各作業工程の管理、改善を行う取り組みです。
GAP認証をとると、2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村の食材に選定されたり、輸出など新たな販路拡大につながります。
~佐賀県GAP認証第1号を取得~
2020東京オリンピック、パラリンピック競技大会の食材供給の基準の一つである「佐賀県GAP認証」を取得しました。(2019.6.18)
詳しくは
佐賀県ホームページで確認してください。
実験圃場 |
実験圃場 |
IT農業の導入による米作り
~IT農業~
地域農業は、"農業従事者の高齢化と担い手の減少"、"農業所得の伸び悩み"などの課題に直面しています。
そこでこのプロジェクトのメンバーであるIT企業のテクノロジーや佐賀県の実用的な知見・ノウハウ、
さらに佐賀大学農学部の学術的知見を融合させた様々なアプローチにより、農業の効率化、高度化、実用化を目指します。
肥料散布、田植えから収穫までの間、ドローンを使用してたんぼを撮影し、生育状況の調査・解析を行いました。
OPTiM AGRI Drone
(株式会社 OPTiM) |
AGRI Droneを使った画像解析の様子(イメージ) |
アグリドローンで撮影(7月) |
アグリドローンで撮影(9月) |
ITの技術を活用した斬新な栽培環境のもとで農作物を育成管理し、従来の農作物以上の”品質”と”安心”そして”おいしさ”を追求し、「安全、あんしん」を消費者に伝えることでブランド化を目指します。
また、IoTテクノロジーを融合することで生産者の負担を軽減し、生産性を向上させる栽培環境のIT化と、トレーサビリティの確保を行い、映像や図で育成経過や生産者情報などを消費者に紹介することで、安心して購入いただけるとともに、消費者と生産者の継続的な関係づくりに貢献していくことを目的としております。
~圃場水管理システム~
農家はどこにいても耕作する水田の水位や水温などのデータをスマートフォンなどで常時確認することができ、予め設定した水位に応じて自動で水管理をするシステムです。
シギの恩返し米では令和元年度から圃場水管理システム
「WATARAS(ワタラス)」の運用をはじめました。
地域での環境保全や啓発活動
~清掃活動~
動植物の生息地としてだけでなく、私たちの生活を支える大切な自然環境として、湿地を保全・再生していくことが重要です。
毎年、東与賀海岸の清掃活動やシチメンソウの保全活動には、たくさんの方々が参加しています。
東与賀海岸清掃活動 |
シチメンソウ保全活動 |
~東与賀まちづくり協議会~
「四季が見える自然の宝を守るまち」を目指して、美しい豊かな自然を守るため、道路や公園の美化活動、東よか干潟のPR活動などの
環境づくりに取り込んでいます。
野鳥観察会 |
干潟の生き物調査 |
~東よか干潟ラムサールクラブ~
市内の小学4年生から中学3年生までを対象とした「東よか干潟ラムサールクラブ」では、干潟の生き物調査や渡来する野鳥の観察、他のラムサール条約湿地で活動する子ども達との交流を通じて、東よか干潟の価値や魅力を学び、そのすばらしさを多くの人に伝える未来のリーダーが育っています。
また、干潟に注ぐクリークには在来種の貴重な魚類が今も生息しています。
そこで、WWFジャパン(世界自然保護基金)と協働活動協定書を締結し、水田、水路の生物多様性と産業の共生の目的にクリークの生き物観察会などを実施し、環境保全活動に取り組んでいます。
東よか干潟ラムサールクラブ |
クリークの生き物調査(R1.6.29) |
シギの恩返し米プロジェクトとSDGsとの関係
~SDGsとは~
2015年の国連サミットで決められた、より持続可能な未来を築くための17からなる国際社会共通の目標です。
~「シギの恩返し米プロジェクト」は、SDGsの達成に貢献しています~
2.「食料」・・・食料の安定確保、持続可能な農業の推進
6.「水」・・・化学物質放出の最小化、淡水の持続可能な採取・供給、生態系の保護
8.「雇用」・・・経済生産性の達成、安全・安心な労働環境の促進
12.「持続可能なライフスタイル」・・・自然と調和したライフスタイルの確立
14.「海の豊かさ」・・・海洋ごみや富栄養化防止等の陸上活動
15.「陸の豊かさ」・・・陸上生態系の保護、生物多様性損失の阻止
17.「協働」・・・効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップの推進
龍谷高校SDG’sインタビュー |
龍谷中学校SDG’sフェスティバル |
令和3年産 シギの恩返し米のご紹介
生産情報
- ・名称 精米
- ・原料玄米 単一原料米
- ・産地 佐賀県
- ・品種 夢しずく
- ・産年 令和3年産
- ・内容量・価格(税込)300g(300円)
1kg(650円)
2kg(1,000円)
5kg(2,300円)
10kg(4,300円)
- ・販売者 シギの恩返し米プロジェクト推進協議会
TEL:0952-45-1022
【イベント販売】
◇バルーンフェスタ会場内憩いの広場◇シチメンソウまつり◇さが環境フェスティバル など (令和3年度は中止)
【販売店】
◇JF佐賀有明海直売所 まえうみ◇東よか干潟ビジターセンター ひがさす◇シチメンソウの里休憩所
【ふるさと納税返礼品】(調整中)
・
Aセット(キューブ型10個)
・
Bセット(計4.9kg)
※令和3年産シギの恩返し米の特徴についてはこちらをご覧ください。
※令和3年産シギの恩返し米は、現在の在庫がなくなり次第、販売を終了いたします。令和4年産は、10月中旬販売開始予定です。
※購入を希望される飲食店、米穀店は、電話でご相談ください。
「シギの恩返し米」精米成分・炊飯食味の分析の結果
2018(H30)年産米
東京都 お米専門店検査
検査項目① |
測定数値 |
精米品質評価値 |
79.0 |
白度 |
43.2 |
水分 |
13.7 |
容積重 |
86.3 |
浸漬割粒 |
2.0 |
たん白質 |
5.4 |
アミロース |
19.8 |
検査項目② |
測定数値 |
炊飯食味 |
91 |
外観 |
9.6 |
硬さ |
4.4 |
粘り |
9.5 |
バランス |
9.7 |
東よか干潟・ラムサール条約湿地登録