うまさが日記

『いいモノさがし』認定事業者のご紹介です① ~ 恵丸水産(前編)

佐賀市には、生産者のみなさんがこだわって作ってきたおいしい商品がたくさんあります。より多くのみなさんに商品を知っていただきたい。そんな思いから始まった佐賀市の認定制度『いいモノさがし』。

『いいモノさがし』の認定品を送り出されている事業者さんに、あんなコトやこんなコトを聞いてきましたのでご紹介します。

第一回は、佐賀市諸富町「恵丸水産」の野口恵二さん・京子さんです。


※平成29年11月に佐賀市の公式フェイスブックに掲載された記事からの転載です。

「生産者だからお届けできる最高級の佐賀のりを使った 佃煮、酢漬、ドレッシングを作っています」

◎いい原料が一番の強み

――はじめまして。こちらは海苔(のり)の生産業者であると同時に、海苔の加工品も手がけていらっしゃいます。ご近所は漁業関係の方が多いんですか?

野口恵二さん:この辺りはほとんどが漁業関係者ですが、生産だけです。うちだけが加工品を作っています。

――「恵(めぐみ)のさが海苔佃煮(つくだに)」、「さが海苔ドレッシング」と「恵の酢漬(すづけ)海苔」柚子(ゆず)風味・生姜(しょうが)風味・梅風味の5品が、佐賀市の『いいモノさがし』に認定されています。ドレッシングと酢漬の梅風味は、今年、新しくエントリーされたとか。

恵二さん:加工品の製造は家内がしていることなんです......私は、〝原料供給〟担当と、あと味見係です(笑)。

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――ご主人は海苔をとってくるほうですね(笑)。加工品のアイディアはどこから出てきたんですか。

野口京子さん:海苔の佃煮は、もともと漁家(ぎょか)の人たちが家で作っていたんです。砂糖としょうゆぐらいしか入れない甘い佃煮で、私も加工品を作る前は、この甘いのを作っていました。 (佃煮の)原料の海苔は、ふつう板海苔を使いますが、破れたり、規格外で市場に出せないものを、水で戻して佃煮にします。「家で食べるぶんだけ作る」ということですけれど、昔ながらの佃煮に対して、うちは摘(つ)んできた〝原藻(げんそう)〟を乾燥させて、製品化しています。

――ゲンソウって何ですか。

恵二さん:海苔の葉の部分です。生産量の一部を洗浄して、乾燥して、冷凍します。冷凍しないと日持ちがしませんから。

京子さん:冷凍すると2年保(も)ちますので、要るぶんだけ、冷凍した原藻を出してきて佃煮を作ります。

――板海苔を使うのとでは、味が違いますか?

京子さん:やっぱり原料そのものですからね。海苔の風味やつるっとした食感が、板海苔を使うのとでは違うと思いますよ。板海苔ではないので、佃煮にした後も、糸を引きます。

恵丸水産(後編)2.jpg  恵丸水産(前編)1.jpg

――あのねばねば度の高そうな佃煮海苔の秘密はそこにあったんですね。それでなくとも、こちらの海苔はおいしいです。10枚入り1000円というのは進物用ですか。

恵二さん:そうですね。10枚入り1000円+消費税(キャンペーン価格)の「初摘み佐賀のり 焼海苔」はうちの商品の中で一番いいものです。  
京子さん:いい原料を使えることが、よそにはない強みでしょうね。とくに〝百貨店用〟として、老舗デパート・佐賀玉屋さんで出しているラインナップは、朝摘みの一番海苔だけを使用していますので、中身は極上です。

◎加工品に取り組もうと思ったわけ

――そんなに美味しい海苔を出荷されているのに、なぜ、加工品を作ろうと思われたんですか?

恵二さん:「自分の海苔を加工して、付加価値をつけて売ってみようかな」と思い出したのは、三、四年ほど前からです。温暖化など、海をとりまく環境の変化にともない、全国的に海苔がとれない傾向になってきています。有明のりの生産は他の産地に比べてまだ安定していますので、市場での有明のりの価格は上昇しています。 福岡、佐賀、長崎......たしかに、有明海でとれる海苔のシェアは全国一ではありますが、いま、価格がよかったとしても、10年先、20年先はわかりませんでしょう?

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――なるほど......漁業に入ってくる若い人は減っていますか。

恵二さん:いえ、わりと後継者はいます。ことしの夏は、朝倉(福岡県)の水害もありました。海はつながっていますので、こちらにも大きな木やいろいろなものが流れてきます。被害に遭(あ)われた方たちも本当に大変ですが、こちらも海の清掃その他、環境に影響が出てきます。

――海苔の場合、温暖化は困るんですね。

恵二さん:水温が24度以下にならないと、海苔の種が付かないんです。毎年、海水の温度が24度以下になるのを待って、種付けをしますが、ここ10年は、種付けの時期が遅れています。つまり、水温が上がっているということです。 たまたま水温が下がったので、そのときを見計らって種付けしたら、また水温が横ばいになったり、逆に上がったり......昔は順調に下がったものなんですが。

――「佐賀のりがぶっちぎりでシェアを占めています」と、安心してもいられない部分があるんですね。

恵二さん:ええ、環境はとても難しい問題です。自然相手ですし。海苔の養殖(ようしょく)はプールでもできますが、莫大(ばくだい)な費用がかかるため、個人ではできません。 「もしも、将来的に海苔がとれなくなったら、どうするのか?」ということから、「じゃあ、うちの海苔を使って加工品を作ってみよう」と思い付きました。
京子さん:こちらはまったくの素人ですので、一から勉強しなくてはならなくて......いまも試行錯誤中ですが。

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――次回は、商品化のエピソードをお聞きしたいと思います。ありがとうございました。
 (佐賀市の公式フェイスブックより)


2018/06/14
 

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